-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
2025年6月 日 月 火 水 木 金 土 « 5月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

みなさんこんにちは!
シンワオートマチック株式会社の更新担当の中西です!
さて今日は
シンワのよもやま話~図面の書き出し~
ということで、今回は、アルミサッシ加工者にとっての図面の書き出しがなぜ欠かせないのか、どのようなリスクを防ぎ、現場での信頼を得るためにどう役立つのかを深掘りして解説します。
アルミサッシは、住宅・ビル・店舗などあらゆる建築物に使われる精密建材です。そしてその加工には、設計図から必要情報を抜き出して「加工用の指示図面」へと展開する、“図面の書き出し”作業が極めて重要です。
目次
図面の書き出しとは、建築設計者が描いたサッシ図・建具表・納まり図などをもとに、実際の加工・組立・施工に必要な寸法・形状・部品情報を抜き出して整理する工程です。
主な書き出し内容
サッシの見込・方立て・中桟の位置
枠・障子それぞれの切断寸法・加工位置
ガラス寸法・パッキン形状
建築躯体との取合い寸法
つまり、“設計意図を現場の寸法に翻訳”する作業です。
アルミサッシは精度の誤差が数ミリでも施工不良に直結する繊細な建材です。書き出しにミスがあると、以下のような問題が発生します
開閉不良(戸当たりがズレる/カギが閉まらない)
現場躯体と合わない(枠が入らない)
排水勾配ミスによる雨漏り
ガラスの発注ミス(寸法違い・割れリスク)
クレーム・再製作・工期遅延・コスト増
つまり、書き出しは“ミスを未然に防ぐための加工前チェック機構”なのです。
チェック項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
外枠寸法 | 開口寸法とクリアランス確認 | 躯体との取合い+シーリング厚さを考慮 |
枠・障子の切断寸法 | 加工長・止まり位置 | ピタ留め/斜め切りなど加工法に応じて調整 |
水切り・下枠勾配 | 防水・水返し処理 | 結露・雨漏り対策として最重要 |
金物・戸車・クレセントの位置 | 加工穴寸法・下地補強 | 寸法ミスで現場修正不能になる危険 |
建具表との整合性 | 仕様・色・型番 | 設計変更の見落としに注意 |
正確な図面書き出しを行うことで、以下のような利点があります
加工の効率化:迷いなく寸法通りに切断・組立できる
現場での収まりが良い:無理な調整や削り作業が不要
施工スピードアップ:段取り時間が短縮される
クレーム防止:施工後のトラブル率が激減
顧客からの信頼獲得:職人としての評価が高まる
図面の書き出しには、設計図を読む力に加え、以下のスキルも必要です:
建築現場の収まりに関する知識
加工機械の特性を理解した寸法調整
現場監督や職人との意思疎通力
変更図・最新図の更新管理
経験豊富な加工者ほど、「このまま作ったら現場で困るだろう」という“読み”と“気づき”を持っています。それが真の職人技です。
アルミサッシ加工において図面の書き出しは、製造精度だけでなく、現場との連携、安全性、さらには企業としての信頼までも左右する極めて重要な工程です。
「ただ作る」のではなく、「現場にぴったり合うように仕上げる」ための準備が、図面の書き出しなのです。